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思考力検定
2026年06月07日
正答率の低かった問題の紹介(2025年度 第3回 4級)
2025年度 第3回で正答率が低かった問題のふり返り、4級です。
【問題】
次のような性能をもった3種類の機械A、B、Cがあります。
【機械A】100個の物体Wを入れると、物体Xが25個と、物体Yが15個と、
物体Zが50個できる。
【機械B】60個の物体Xを入れると、物体Yが20個と、物体Zが30個できる。
【機械C】40個の物体Yを入れると、物体Zが10個できる。
これらの機械は、入れる物体の数が1個でも不足していると加工ができません。
たとえば、205個の物体Wを機械Aに入れると、200個の物体Wは加工されますが、
5個の物体Wは加工されずにそのまま残ります。
(1) 2000個の物体Wから、物体Zは最大何個できますか。
(2) 1000個の物体Zを作るには、物体Wは少なくとも何個必要ですか。
【考え方】
(1) 2000個の物体Wを機械Aに入れると、
物体Xが、2000×25/100=500(個)
物体Yが、2000×15/100=300(個)
物体Zが、2000×50/100=1000(個)
できます。
機械Bは60個の物体Xを加工するので、でき上がった500個の物体Xのうち
加工できる物体Xは、
500÷60=8あまり20
より、60×8=480(個) です。
480個の物体Xを機械Bに入れると、
物体Yが、480×20/60=160(個)
物体Zが、480×30/60=240(個)
できます。
機械Cは40個の物体Yを加工するので、でき上がった物体Y
300+160=460(個) のうち加工できる物体Yは、
460÷40=11あまり20
より、40×11=440(個) です。
440個の物体Yを機械Cに入れると、
物体Zが、440×10/40=110(個)
できます。
よって、2000個の物体Wからできる物体Zの数は、
1000+240+110=1350(個)
です。
(2) 機械Aに入れた物体Wの数に対して、
物体Xは、25/100=1/4
物体Yは、15/100=3/20
物体Zは、50/100=1/2
できます。
機械Aでできた物体Xを機械Bに入れると、
物体Yは、1/4×20/60=1/12
物体Zは、1/4×30/60=1/8
できます。
機械AとBでできた物体Yを機械Cに入れると、
物体Zは、(3/20+1/12)×10/40=7/120
できます。
よって、物体Zを1000個つくるのに必要な物体Wの数は、
1000÷(1/2+1/8+7/120)=1463.4・・・
機械Aには物体Wを100個単位で入れないと加工ができないので、
十の位を切り上げて、1500個だと考えられます。
念のため、確認しておきましょう。
機械Aに物体Wを1500個入れると、
物体Xが、1500×25/100=375(個)
物体Yが、1500×15/100=225(個)
物体Zが、1500×50/100=750(個)
できます。
機械Bには、物体Xを360個入れて、
物体Yが、360×20/60=120(個)
物体Zが、360×30/60=180(個)
できます。
機械Cには物体Y 225+120=345(個) のうち320個を入れて、
物体Zが、320×10/40=80(個)
できます。
このとき、物体Zは 750+180+80=1010(個) できるので、
条件を満たします。
また、次のように考えることもできます。
(1)より、2000個の物体Wから1350個の物体Zができます。
そこで、まず比例計算で必要な物体Wのおよその個数を求めます。
2000×1000/1350=1481.・・・
ただし、各機械は決められた個数単位でしか加工できないので、
比例計算だけでは答えを決定できません。そこで、1500個の場合を調べると、
先のように1010個の物体Zができるので、条件を満たします。
一方、1500個より100個少ない、1400個の場合はどうかも確認しておきます。
計算すると、機械Aにより、物体Xが350個、物体Yが210個、物体Zが700個
できます。
また、機械Bにより、物体Yが100個、物体Zが150個できます。
そして機械Cにより、物体Yが310個、物体Zが70個できます。
物体Zの合計は、700+150+70=920(個) となり1000個未満なので、
1500個の物体Zが必要だといえます。
4級の問題ですが、このように算数で解くことができますので、丁寧に各機械の性能を追って計算していけば、小学生でも考えられる問題です。
正答率は、(1)が28.3%、(2)が20.8%でした。
解答類型とその反応率を見てみましょう。
(1) 1000個:30.2% 1280個:7.5% 1310個:3.8%
その他:24.5% 無回答:5.7%
(2) 2000個:32.1% 1600個:7.5% 1000個:5.7%
1800個:3.8% その他:26.3% 無回答:3.8%
(1)の誤答分析
1000個:最も多い誤答である1000個は、機械Aに2000個の物体Wを入れたときにできた物体Zの数です。
1280個:機械Cに入れる物体Yを、機械Bでできた160個のみにしてしまった誤答です。160×10/40=40(個) より、1000+240+40=1280(個)
1310個:機械Cに入れる物体Yを、機械Aでできた300個のみにしてしまった誤答です。300÷40=7あまり20 40×7=280(個) 280×10/40=70(個) より、
1000+240+70=1310(個)
(2)の誤答分析
2000個:最も多い誤答である2000個は、(1)を引きずったものです。(1)で2000個の物体Wから1000個の物体Zができると答えた子が30.2%もいたわけですから、その子たちは(1)で1000個の物体Zをつくるには2000個の物体Wが必要だと考えたのでしょう。つまり、(1)で機械Aから出る物体Zだけを数え、物体XやYを機械B・Cでさらに加工することを考えなかった子です。
1600個:(1)で1280個や1310個と考えた子でしょう。比例計算で考えると、2000×1000/1280=1562.5、2000×1000/1310=1526.7・・・となるので、十の位を切り上げて1600個と考えたと思われます。
1800個:1800個と答えた子は、(1)で1000個と答えていました。それを踏まえると、どのようにして1800個を導き出したのか、想像ができませんでした。
●まとめ●
この問題は計算量が多いため難しく見えますが、誤答を見てみると、実際には「どの機械まで加工を追えたか」が正答と誤答の分かれ目になっていました。
(1)の1000個という誤答は、機械Aで直接できる物体Zだけを数え、物体Xや物体Yをさらに機械B・Cで加工できることを見落としていたものです。また、1280個や1310個という誤答からは、機械Bや機械Cのどちらか一方までは考えられていたことがわかります。
(2)でも同様に、(1)で考えた内容がそのまま影響しています。誤答の2000個は、「2000個の物体Wから1000個の物体Zができる」という考えをそのまま逆にたどった結果と考えられます。
このように、子どもたちの解答を見ていると、「できた・できなかった」だけではなく、「どこまでは考えられていたのか」が見えてきます。複雑な条件の問題ほど、一度に全部を考えようとするのではなく、物体がどのように変化していくのかを順番に整理していくことが大切です。
