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思考力検定

2026年05月31日

正答率の低かった問題の紹介(2025年度 第3回 5級)

2025年度 第3回で正答率が低かった問題のふり返り、5級です。

【問題】
1から80までの数が書かれた80枚のカードが、上から1、2、… 、80の順に重なっています。
(1) カードを上から14枚取っていちばん下に戻す作業を3回繰り返します。
 このとき、いちばん上のカードに書かれた数を答えなさい。
(2) カードを上から9枚取っていちばん下に戻す作業を何回か繰り返します。
 20が書かれたカードがはじめていちばん上になるのは、作業を何回繰り返した
 ときか答えなさい。


【考え方】
はじめは、次の図のような状態です。

(1) 1回の作業でいちばん下に移動させるのは、上から数えて14枚なので、
 3回の作業で下に移動させるカードは、14×3=42(枚) です。
 したがって、42枚を下に移動させたあとにいちばん上に来ているカードは、
 43が書かれたカードです。

(2) 上から9枚取っていちばん下に移動させる作業を繰り返すと、
 いちばん上に来るカードは、
   10、19、28、37、…
 と変化します。この数は「9でわると1あまる数」です。

 カードは全部で80枚なので、20が書かれたカードは、
   20枚目、20+80=100枚目、100+80=180枚目、…
 に並びます。
   20÷9=2あまり2
   100÷9=11あまり1
 ですので、11回目の作業で20がいちばん上に来ることがわかります。

 この考え方が難しければ、いちばん上に来るカードを順番に考えていってもいい
 でしょう。
    10、19、28、37、46、55、64、73、2、11、20

それでは、正答率です。
(1)は64.1%、(2)は38.0%でした。

続いて、解答類型とその反応率から、子どもたちの思考の特徴を見ていきましょう。
(1) 38:12.0% 45:7.6% 41:3.3% 42:3.3% その他:9.7%
(2) 2回:15.2% 12回:6.5% 20回:5.4% 10回:4.3% その他:20.8%
  無回答:9.8%

(1)から確認していきましょう。
38:14枚引いたとき、いちばん上に来る数を 14−1=13 と考えた可能性があります。この1を引くという操作は、おそらく14枚目がいちばん上になると考えたのでしょう。そうであれば 13×3=39 が答えになりそうですが、39−1=38 とさらに1を引いています。
45:14枚取ると15がいちばん上に来ます。3回繰り返すので、15×3=45 と考えたのでしょう。
41:14×3−1=41 と、こちらも38の誤答と同様に、1を引く操作をしています。やはり、最後に1を引きたがる特徴があります。
42:14×3=42 とこちらはわかりやすい誤答です。

次に、(2)です。
2回:9枚取ったあとにいちばん上に来るのが10なので、10×2=20 より、2回と考えたものと思われます。(1)の45の誤答と同じ思考です。
12回:11回の作業で20がいちばん上にくることはイメージできているものの、その20がいちばん上に来たときの上から9枚を移動させるのが12回目ということから、その12回を答えてしまったものと思われます。
20回:80+80+20=180 なので、20にするためには2回循環してさらに20を足したときです。この180にするためには、180=9×20 より、20回移動させなければならないことから、20回という答えを導いたものと思われます。
10回:9枚取ったあとに出てくるのは10なので、10×8回=80 で1循環。さらに10×2回=20 より、8+2=10回 と考えたものと思われます。


ちなみに、さらに正答率が低かった(3)もあります。
【問題】
(3) カードを上から40枚取り、取ったまとまりをA、残っているまとまりをBとします。A、Bそれぞれでカードを上から5枚ずつ取って、いちばん下に戻す作業を4回繰り返しました。そのあと、Aの上にBを重ねてまとめます。このまとめ直したカードを、上から8枚ずつ取っていちばん下に戻す作業を何回か繰り返したところ、いちばん上のカードに書かれた数は5でした。上から8枚ずつ取っていちばん下に戻す作業は何回繰り返したか答えなさい。ただし、作業の回数はもっとも少ないものとします。


正解は8回で、正答率は22.8%でした。また、解答類型とその反応率は次の通りです。
3回:10.9% 13回:6.5% 2回:4.3% 7回:4.3% 6回:3.3%
14回:3.3% その他:6回:22.9% 無回答:6回:21.7%

●まとめ●
今回の問題では、「上から何枚移動したか」と「次にいちばん上に来るカードは何か」を区別して考えることがポイントでした。

誤答を見てみると、子どもたちは決してでたらめに答えているわけではありません。むしろ、
「14枚移動したら15が出てくるから15ずつ増える」
「9枚移動したら10が出てくるから10ずつ増える」
といったように、見えた結果から規則を見つけようとしていることがわかります。

また、80枚のカードが循環していることに気づいていても、「どのカードがいちばん上に来るのか」と「何枚目の位置にあるのか」が混同されると、20回などの誤答につながります。

思考力検定では、答えだけでなく、「どのように考えたのか」を大切にしています。誤答の中にも、子どもたちなりの筋道だった考え方が隠れています。ぜひ正解・不正解だけで終わらせず、「どう考えたのかな?」という視点で子どもたちの解答を見てみてください。

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