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思考力検定
2026年05月24日
正答率の低かった問題の紹介(2025年度 第3回 6級)
2025年度 第3回で正答率が低かった問題のふり返り、6級です。
【問題】
図1のように、3本の直線でAからFの6つの部分に分け、さらに図2のように、内側から整数を 1、2、3、4、…と順に書いていきました。
(1) 次の文の( ㋐ )、( ㋑ )にあてはまる数を答えなさい。
Eの部分には、( ㋐ )でわると( ㋑ )あまる整数が小さい順に入ります。
(2) Cの部分に入っている整数を順に、1番目、2番目、3番目、…とします。
このとき、100番目の数を求めなさい。
【考え方】
(1) Eの部分には、5、11、17、…とならんでいます。
これらの数は6ずつ大きくなっていますから、
5÷6=0あまり5
11÷6=1あまり5
17÷6=2あまり5
というように、6でわると5あまる数が入ります。
ですから、㋐にあてはまる数は6,㋑にあてはまる数は5です。
(2) Cの部分には、3、9、15、…とならんでいます。
これらの数は6でわると3あまる数です。
1番目 3÷6=0あまり3
2番目 9÷6=1あまり3
3番目 15÷6=2あまり3
このきまりから、6でわると「99あまり3」になる数が100番目の数とわかります。
ですから、 6×99+3=597 が、100番目の数です。
正答率は、(1)が12.9%、(2)が43.6%でした。導入問題として簡単な規則性を考える問題として出題したはずの(1)のほうが、正答率が低くなりました。
ちなみにこの問題は「算数ラボ」にも掲載されており、当時の正答率は(1)が17.0%、(2)が48.1%と、今回と同じくらい低い正答率でした。
では、どのような誤答が多かったのか、解答類型とその反応率を見てみましょう。まずは(1)からです。
(㋐3、㋑2):37.1% (㋐2、㋑1):25.7% (㋐5、㋑1):4.7%
(㋐4、㋑1):1.8% (㋐6、㋑1):1.2%
その他:12.2% 無回答:4.4%
(㋐3、㋑2)と(㋐2、㋑1)だけで過半数を占めています。
確かに、5、11、17は “3でわると2あまり” ますが、このきまりで小さい順にならべると、2、5、8、11、14、17、…となります。
同様に5、11、17は奇数なので、確かに “2でわると1あまり” ますが、このきまりで小さい順にならべると、1、3、5、7、9、11、13、15、17、…となります。
この規則性を考える「変化と関係」の問題は、「いくつずつ増えていますか」と問うと正答率はかなり高くなり、この問題であれば「6ずつ増える」と難なく子どもたちも正解できたでしょう。一方で、このように問い方を変えるだけで、途端に間違える子が増えます。
この「6ずつ増える」ということを「6でわると」に変換できるようになり、さらに「スタートの数=あまりの数」と変換することができるかどうかがこの問題のポイントですが、子どもたちにはかなり難しいのでしょう。
続いて(2)です。(1)の正答率が12.9%なので、さらに低くなると思いきや、43.6%と半数弱の子が正解できています。
解答類型とその反応率は次のようになりますが、0.5%未満の「その他」の誤答が19.0%と、かなり多くありました。
603:6.2% 300:5.1% 600:3.8% 570:2.7% 594:2.6%
1800:1.4% 306:1.2% 540:0.9% 450:0.9% 150:0.9%
900:0.6% 585:0.6% 297:0.6% その他:19.0% 無回答:9.9%
これらのうち、603=6×100+3、600=6×100、594=6×99 から、このように答えた子は、3、9、15、…というならびから、6ずつ増えていることはわかっていると思われます。
一方で、300と答えた子は、3×100=300 と考えています。
また、306と答えた子は 3×100+6=306、297と答えた子は 3×100−3=297と考えています。
これらの子は、6ずつ増えていることを捉えられているかは微妙です。
また、570と答えた子は、次のように考えていました。
10番目の数は、3、9、15、21、27、33、39、45、51、57 より、57です。
100番目なので、57×10=570
同じような考え方で、540と答えていた子は、5番目が27なので、100÷5=20 より、27×20=540 としていました。
さらに450と答えていた子は、2番目が9なので、100÷2=50 より、9×50=450 としていました。
つまり、570、540、450と答えた子は、6ずつ増えていることは捉えられています。
そして1800は、3×100=300、300×6=1800 としていました。
●まとめ●
今回の問題では、多くの子どもたちが「3、9、15、…と6ずつ増えている」という規則そのものには気づいていました。実際、(2)の誤答を見ても、603、600、594だけでなく、570、540、450など、「6ずつ増える」という考え方をもとに答えを求めようとしているものが多く見られます。こうした反応から考えると、少なくとも8割程度の子どもたちは、「6ずつ増える」という規則性自体は捉えられていたと考えられます。
しかし、その一方で、「6ずつ増える」という規則を、「6でわると同じあまりになる」という見方に結びつけることは難しかったようです。特に(1)では、「3でわると2あまる数」「2でわると1あまる数」というように、“一部にはあてはまるが、並び全体の規則にはなっていない” 答えを選んでしまう子が非常に多くいました。
規則性の問題では、「どれくらい増えるか」を見るだけでなく、「その増え方を別の表し方に言い換える」ことが大切です。「6ずつ増える」ことは、「6でわったあまりがずっと同じ」ということにつながっています。このように、変化の様子と数の性質を結びつけて考えられるようになると、より複雑な規則性の問題にも対応できるようになります。
