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思考力検定
2026年02月15日
正答率の低かった問題の紹介(2025年度 第2回 6級)
2025年度 第2回のふり返り、6級の問題です。
【問題】
はるとさんは、マラソン大会に参加しました。参加者は、はるとさんを入れて51人でした。はるとさんは、スタートしてから5分後に、前から16番目を走っていました。その後、だれも追い抜けずに何人かに追い抜かれ、スタートしてから10分後にちょうど真ん中を走っていました。さらにその後、はるとさんはスピードを上げて、12人を追い抜きましたが、4人に追い抜かれ、そのままゴールしました。
(1) はるとさんがスタートしてから10分後に走っていた順位は何位ですか。
(2) はるとさんは、スタートして5分後から10分後までの間に、何人に追い抜かれましたか。
(3) はるとさんは何位でゴールしましたか。
【考え方】
(1) はるとさんは、10分後にちょうど真ん中を走っていました。51人の真ん中は26番目なので、26位です。
(2) スタートから5分後には16番目を走っていたので、26−16=10 より、10人に追い抜かれました。
(3) 26番目を走っていて、その後12人を追い抜き、さらに4人に追い抜かれたので、はるとさんは、26−12+4=18 より、18位でゴールしたことになります。
正答率は、(1)が69.0%、(2)が54.8%、(3)が57.1%でした。
ちなみに、過去に同じ問題を出したときの正答率は、(1)が63.8%、(2)が49.6%、(3)が45.9%と、今回よりも低い正答率でした。今回の受検生のほうが正答率が高かったのですが、やはり間違えやすい問題なのでしょう。
では、どのような間違いをしているか、解答類型とその反応率を見てみましょう。
(1) 25位:24.6%、その他:6.4%
(2) 9人:33.8%、その他:11.4%
(3) 17位:28.9%、その他:14.0%
上記のように、誤答は特定の答えに偏っています。
(1) 51を2で割ると、答えは25.5です。この問題のように、真ん中を求める際に全体の数を2で割って出た端数を切り捨ててしまう子は多くいます。割り切れないということはどういうことを意味しているのだろうと考えることが、とても重要です。
(2) (1)で25位と答えた児童が、25−16=9(人) と考えたパターンと、16と26の間の個数、つまり17〜25の個数=9人 と考えたパターンがあると思われます。
反応率も、(1)25位−(2)9人と答えた20.4%と、(1)26位−(2)9人と答えた9.9%の2種類の反応率が高く出ました。
(3) (1)で25位と答えた子が、その後は正しく計算して 25−12+4=17 と考えたパターンが最も高いと考えられます。
反応率も、(1)25位−(2)9人−(3)17位と答えた18.3%が最も高い反応率で、(1)26位−(2)9人−(3)17位は2.1%とわずかでした。
●まとめ●
この問題は、単純な計算問題ではなく、「順位」という数量の意味を正しく捉えられているかを問う問題です。
(1)では、「真ん中」とは何かを考えずに 51÷2=25.5 を機械的に処理し、25位と答えてしまう誤りが多く見られました。奇数人のときに“割り切れない”ことが何を意味するのかを考える力が重要であることがわかります。
(2)では、順位の差をそのまま人数の差とみなすのか、「間にいる人数」と捉えるのかという、数直線的な理解のずれが見られました。順位は「場所」を表していることを意識できるかどうかがポイントです。
(3)では、(1)の誤りをそのまま引きずる児童が一定数いることが分かりました。
この問題は、一つひとつの場面で「今、何位なのか」を丁寧に確認しながら追っていけば難しくないのですが、数量の意味を曖昧にしたまま操作すると誤りが連鎖しやすい問題でもあります。
正答率は前回より向上したものの、特定の誤答に偏っていることからも、思考のつまずき方には共通点があると考えられます。順位の意味や、増減が何を表しているのかを言葉で説明させる活動を通して、数量の構造理解を深める指導が今後も重要でしょう。
