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思考力検定

2025年10月29日

正答率の低かった問題の紹介(2025年度 第1回 4級)

2025年度 第1回のふり返り、今回は4級の問題です。

【問題】
下の図のような、▶と◀の間に決まった4つの数字を合わせてはずす鍵があります。A、B、C、Dにはそれぞれ10個の面があり、0から9の数字が1つずつ書かれています。

孝平さんは、この鍵をはずす番号を忘れてしまいました。しかし、念のため鍵をはずす番号のヒントをメモしておいたので、それをもとに考えることにしました。

しかし、鍵をはずす番号のヒントが書かれたメモには、もう1つヒントを加えないと番号がわかりません。次の(ア)から(エ)の中に1つだけ鍵をはずす番号を特定できる条件があります。それはどれですか。また、鍵をはずす番号も答えなさい。

(ア) AとBの数はどちらも奇数である。
(イ) Aの数からBの数をひくと3になる。
(ウ) Bの数はAの数でわり切れる。
(エ) Aの数は偶数である。


【考え方】
ヒントの条件ではAとBの数が絞り切れないので、まずはCとDの数を求めます。
ヒント①から、A+B と C+D は、12、15、18のいずれかです。

・A+B=C+D=12 のとき
 ヒント②より A+B+D=12+D=18 となり、D=6 となります。
 このとき、C+D=12 より C=6 となるので、条件を満たします。
・A+B=C+D=15 のとき
 ヒント②より A+B+D=15+D=18 となり、D=3 となります。
 このとき、C+D=15 よりC=12 となるので、条件を満たしません。
・A+B=C+D=18 のとき
 A=B=C=D=9 となるので、ヒント③を満たしません。

よって、C=D=6 です。

次に、ヒント④ と C=D=6 より B>6 となり、A+B=12 から、AとBは次の3通りが考えられます。
  A=3、B=9 / A=4、B=8 / A=5、B=7
あとは、AとBを1つに特定できるような条件さえあれば番号が決まります。

・(ア)の場合
 A=3、B=9 と A=5、B=7 が考えられ、1つに特定できません。
・(イ)の場合
 A−(12−A)=3 より、A=7.5 となり整数ではないので、条件を満たしません。
・(ウ)の場合
 A=3、B=9 と A=4、B=8 が考えられ、1つに特定できません。
・(エ)の場合
 Aが偶数になるのは、A=4、B=8 のときだけなので、1つに特定できます。

よって、鍵をはずす番号は 4866 となります。

正答率は14.0%と、かなり低い数値を示しました。まずは、番号について、解答類型とその反応率を見てみましょう。

4866:28.0%  3966:20.0%  5766:14.0%
その他:24.0%  無回答:14.0%

また、4866と答えた生徒28%の選択肢(ア)~(エ)の反応率は、次の通りです。
(ア):0.0%  (イ):2.0%  (ウ):12.0%  (エ):14.0%

4866、3966、5766が上位3つを占めたことからも、C=D=6 は多くの生徒が分かっています。ちなみに、この3つの答え以外も含めて C=D=6 が分かった生徒の割合は66.0%でした。

また、上位3つの答え 4866、3966、5766 を見ると、ヒント①~④のすべての条件を満たしているので、62.0%の生徒は、この3つに絞り込めたのだと思われます。

あとは、この3つから1つに絞り込むための条件を(ア)~(エ)から選ぶのですが、その過程で半分の生徒がつまずきました。

●まとめ●
この問題は中学生を対象としていますが、複雑な計算を必要としないため、小学生でも十分に考えられる問題です。重要なのは、与えられた条件を丁寧に読み取り、矛盾のない組み合わせを順に絞り込んでいくことです。さらに、追加条件によって一つに特定していく——その過程に、情報を整理し、筋道を立てて考える力が問われます。
年齢にかかわらず、「条件を一つずつ確かめ、比較しながら除外していく」思考の流れを身につけることが大切です。

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