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思考力検定

2023年03月15日

正答率の低かった問題の紹介(2022年度 第2回 6級)

2022年度 第2回 6級 で、正答率の低かった問題の紹介です。
今回も「データと不確実性」の問題なのですが、5つの算数・数学の内容のうち、この「データと不確実性」の正答率が低くなる傾向は常にあります。
このことから、情報を読み取り、その情報を使って筋道を立てて考えるのが苦手な児童が多いことがわかります。

問題の概要は、次の通りです。

【問題】
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人が、300ページの本を月曜日から読み始めました。4人は、次のようなペースで読みます。

Aさん:月~金…1日20ページずつ読む。
    土・日…1日50ページずつ読む。
Bさん:月~金…毎分0.3ページのペースで1時間ずつ読む。
    土・日…毎分0.5ページのペースで2時間ずつ読む。
Cさん:毎日30ページずつ読む。
Dさん:月・水・金…10分で5ページのペースで1時間ずつ読む。
    火・木・土…読まない。
    日…10分で4ページのペースで4時間読む。

このとき、Aさんと同じ日に読み終える人は誰ですか?


【考え方】
読み終えるまで何日間かかるかを、それぞれ出します。

Aさん:1週目の月~金…20ページ×5日間=100ページ
    1週目の土・日…50ページ×2日間=100ページ
    2週目の月~金…20ページ×5日間=100ページ
    よって、5+2+5=12日間
Bさん:1週目の月~金…0.3ページ×60分×5日間=90ページ
    1週目の土・日…0.5ページ×120分×2日間=120ページ
    2週目の月~金…0.3ページ×60分×5日間=90ページ
    よって、5+2+5=12日間
Cさん:300ページ÷1日30ページ=10日間
Dさん:1週目の月~金…10分で5ページ×6×3日間=90ページ
    1週目の日…10分で4ページ×6×4時間×1日間=96ページ
    2週目の月~金…10分で5ページ×6×3日間=90ページ
    残りの300-(90+96+90)=24ページを2週目の日曜日に読むので、
    合計で14日間

以上より、Aさんと同じ日に読み終える人はBさんです。


ちなみにこの問題は「考え方」も書かせる問題です。
そのため、「Bさん」と答えられても、考え方に不足があると、部分点のみとなってしまいます。

解答の内訳は、次の通りでした。

完答…約3%
Bさんと答えた割合…約49%
Bさんのみ比較した割合…約26%
Bさん,Cさん,Dさんの3人のうち2人のみを比較,または3人とも比較したがそのうち1人を計算ミスした割合…約11%
Dさんを8日と答えた割合…3%


このように、Bさんだとわかった児童が49%いましたが、考え方に不足があった答案が多かったことがわかります。
特に、Bさんとわかった時点でCさんとDさんを検討していない答案が26%もあったので、このような問題においては反例もしっかりと検証するという習慣を身につけさせたいですね。

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