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思考力検定
2023年03月08日
正答率の低かった問題の紹介(2022年度 第2回 10級)
今回は、思考力検定ではいろいろなパターンで出題しているカレンダーを題材にした「データと不確実性」の問題です。
算数ラボ10級にも掲載されている問題の類題なのですが、当時(算数ラボに掲載された問題を出題した当時)も今回も、正答率が低かった問題です。
問題の概要は、次の通りです。
【問題】
次の12月のカレンダーで、数字の「1」を1こと、数字の「5」を1こ使うと、○で囲んだ「15」ができます。この12月のカレンダーをつくるとき、いちばん多く使う数字は何ですか?
【考え方】
カレンダーをぱっと見て、いちばん多いのは「1」か「2」ではないかな…ということは気づけると思います。(実際の答案でも、ほとんどが1と2の解答でしたが、2と答えたのは約5%でした。)
そのうえで、どちらが多いか数えてみましょう。
〈1〉12月、1日、10日、12日〜19日、21日、31日が1個ずつで計13個、そして11日が2個なので、合計で15個です。
〈2〉12月、2日、12日、20日、21日、23日〜29日が1個ずつで計12個、そして22日が2個なので、合計で14個です。
以上より、いちばん多く使う数字が「1」で、その数は「15個」となります。
正答率は53.8%でしたが、これは「1」のみを正解した児童にも部分点を与えているので、正しくは ”得点率” を表しています。
そして、「1」と答えた児童が何個と答えたかの比率を出すと、次のようでした。
1が15個と答えたのが27.5%
1が14個と答えたのが32.8%
1が13個と答えたのが10.7%
14個や13個と答えた児童は、おそらく「12月」の1個を数え忘れたか、または「11」を1個と数えてしまったとか、そんな感じだと思います。
算数ラボ10級では題材が ”3月” だったので、今回の ”12月” のように ”月” を数える必要がありませんでした。そのため、14個の答案が多かったのかもしれません。(ただ、「3」を数える小問で ”3月” の ”3” も数えていますが…)
この問題を発展させると「1年365日の中でいちばん多く使われている数字を考える」という問題が考えられます。
つまり、「より多くの数の中から特定の数字を数え上げる」という問題なのですが、このとき規則性を捉える力が必要となります。
規則性を捉える力は、算数・数学だけでなく、いろいろな場面で必要となる力です。この問題に取り組むことでその力が育ちますので、間違えた子はしっかりと復習しておいてください。