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思考力検定
2025年05月08日
正答率の低かった問題の紹介(2024年度 第3回 8級)
2024年度 第3回のふり返り、今回は8級の問題です。
解答類型がかなりたくさん出たため、わからなかった児童がかなり多かったようです。そのため、8級としては少し難し過ぎたかなといった印象です。
【問題】
正三角形と正方形があります。この2つの図形の周りの長さは同じですが、正三角形の1辺の長さは、正方形の1辺の長さより3cm長くなっています。
正三角形の1辺の長さと正方形の1辺の長さは、それぞれ何cmですか。
【考え方】
正方形の1辺と同じ長さを赤い線で表すと、次の図のようになります。
「正三角形の周りの長さは、赤い線3本分と、青い線(長さ3cm)が3本分」、「正方形の周りの長さは、赤い線4本分」ですから、赤い線1本分の長さは、青い線(長さ3cm)が3つ分、つまり、3×3=9(cm)
したがって、正方形の1辺の長さは9cm です。
よって、正三角形の1辺の長さは、9+3=12(cm) となります。
考え方を見ると「なるほど」となるかもしれませんが、初見で出題されてこの考え方にたどり着くのはなかなか難しかったようで、正答率は25.9%という低さであるとともに、無回答が21.4%という多さでした。
解答類型もかなり多く、112パターンもありました。
そのなかでも反応率が1%以上あったのが次の12パターンです。
正三角形6cm、正方形3cm5.1% 正三角形15cm、正方形12cm3.3%
正三角形7cm、正方形4cm3.2% 正三角形9cm、正方形12cm2.1%
正三角形9cm、正方形6cm2.0% 正三角形4cm、正方形3cm1.8%
正三角形16cm、正方形12cm1.7% 正三角形16cm、正方形13cm1.7%
正三角形19cm、正方形16cm1.5% 正三角形4cm、正方形1cm1.3%
正三角形5cm、正方形2cm1.2% 正三角形8cm、正方形5cm1.2%
上記の反応類型を見てみると、「正三角形の1辺の長さが正方形の1辺の長さより3cm長い」という前提は理解できていそうな感じを覚えますが、「正三角形4cm、正方形3cm」や「正三角形16cm、正方形12cm」のような、その前提が成り立っていない解答類型はたくさんありました。
ちなみに、不正解者の中で「正三角形の1辺の長さが正方形の1辺の長さより3cm長い」という前提が成り立っていた解答類型の反応率は25.7%、成り立っていない解答類型の反応率は27.0%でした。
なお、「正三角形の1辺の長さが正方形の1辺の長さより3cm "短い"」という解答類型もちらほらあり、4.5%いました。
以上のように、解答類型とその反応率を見てみると、言葉だけで提示された前提条件を捉えることの難しさを実感します。
もし同じ問題を、上記の図を示したうえで出題したらどのような結果が出るのか。思考力検定では定期的に過去問やその類題を出題するので、次回出題するときは、そのような形で反応率を確認してみたいと思います。