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思考力検定

2025年04月28日

正答率の低かった問題の紹介(2024年度 第3回 9級)

2025年度 第1回の申し込みがスタートしたので、いつものように前回(2024年度 第3回)の検定で正答率が低かった問題を、ふり返りたいと思います。
今回は9級の問題です。

【問題】
図のように、●を正方形を作るように並べます。1つの辺に3個ずつ並べると、●は全部で8個になります。1つの辺に4個ずつ並べると、●は全部で12個になります。1つの辺に5個ずつ並べると、●は全部で16個になります。

(1) 1つの辺に並べる●を1個増やすと、●は全部で何個増えますか。
(2) 1つの辺に●を6個ずつ並べると、●は全部で何個になりますか。
(3) ●が全部で28個のとき、1つの辺に何個並べましたか。


タイトル画像の正答率53.5%は(3)ですが、(1)(2)も正答率があまり高くなく((1)は62.0%、(2)は66.1%)、子どもたちのやりがちな間違いが見られたので、合わせてご紹介します。

【考え方(1)】
「1つの辺に並べる●を1個増やす」状況を図に表すと次のようになるので、答えは4個です。
なお、図から考えるのもいいですが、正方形は辺が4つですから、1つの辺に1個増やせば、1個×4辺=4個 と考えてもいいですね。

解答類型とその反応率を確認しましょう。
12個:5.2% 20個:4.3% 1個:4.3% 3個:3.4% 2個:3.2%
17個:2.7% 9個:2.1% 8個:1.4% 5個:1.4% 6個:1.1%
24個:1.1% その他:5.8% 無回答:2.0%

子どもたちがどのように間違えたのかを考えてみると、子どもたちが間違えるポイントが見えてきます。

12個:図の1つ目の8個から4個増やして12個と考えた。
20個:図の3つ目の16個から4個増やして20個と考えた。
1個:「全部」の意味を理解できず、1個増えたら1個増えるのではと考えた。
3個:1つの辺を1個増やしたら、残り3辺なので3個増えると考えた。
17個:図の3つ目の16個から1個増やして17個と考えた。
9個:図の1つ目の8個から1個増やして9個と考えた。

続いて、(2)です。

【考え方(2)】
「6個ずつ並べたとき」を図に表すと次のようになるので、答えは20個です。(1)で答えた「4個」を使って、16+4=20(個) と考えてもいいですし、図を描いて数えても構いません。

解答類型とその反応率を確認しましょう。
24個:12.6% 21個:5.9% 18個:3.2% 22個:2.0%
その他:9.1% 無回答:1.1%

それでは、子どもたちがどのように考えたか想像してみましょう。

24個:1辺が6個で4辺あるので、6×4=24(個) と考えた。
21個:規則性を考えずに図をかいて数えたときに、数え始めの角などを2回数えてしまったのではないかと考えられます。よく見られる”あるある”です。

18個・19個・21個・22個:角を数えなかったり数え漏らしたり、●を並べた図を描いたときに並べる●の数が少なかったり多すぎたりした。

最後に(3)です。

【考え方(3)】
考え方がいくつもある問題です。例えば、次の3つの図の考え方があります。

・左側の図は、4つの角を2回ずつ数えることから、
 28+4=32 32÷4=8(個) と考えます。
・真ん中の図は、4つの角をあとから数えることから、
 28−4=24 24÷4=6 6+2=8(個) と考えます。
・右側の図は、4等分したあとに角の1つ分を足して、
 28÷4=7 7+1=8(個) と考えます。


解答類型とその反応率を確認しましょう。
7個:32.7% 28個:1.4% 6個:1.2% 12個:1.2% 9個:1.1%
その他:6.9% 無回答:2.0%

圧倒的に多かった7個という答えは、28÷4=7(個) と、安易に全体の数を辺の数4で割ったのでしょう。

このような間違いをする子は、図を描かずに立式して計算だけで答えようとする傾向があります。しかしそれでは、どのような規則性があるのかをイメージする力が身につきません。ですので、このような問題に出会ったら、必ず図を描いて考える習慣を身につけたいですね。

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