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思考力検定
2025年02月27日
正答率の低かった問題の紹介(2024年度 第2回 3級)
2024年度 第2回 3級で正答率の低かった問題のご紹介です。
文字式の問題ですが、×(かける)が省略されていること、負の数が使われていることを除けば小学生でも考えられる問題です。
ぜひ考えてみてください。
【問題】
整数a、b(ただし a<2b)について、[a,b]の値は、a以上2b以下の整数の個数を表すことにします。
たとえば、[-1,3]は、-1以上6以下(2×3)の整数の個数だから、
-1,0,1,2,3,4,5,6 の8個で、[-1,3]=8 となります。
[a,b]の値を、a,bを使った式で表しなさい。
正答率の低かった問題は(3)ですが、計算だけする(1)(2)を先に見てみましょう。
(1) [3,6]を求めなさい。
(2) [-6,2]を求めなさい。
【考え方】
(1)は「3以上2×6=12以下の整数の個数」なので、
3,4,5,6,7,8,9,10,11,12の10個より、
[3,6]=10 となります。
(2)は「-6以上2×2=4以下の整数の個数」なので、
-6,-5,-4,-3,-2,-1,0,1,2,3,4の11個より、
[-6,2]=11 となります。
正答率は、(1)が87.1%、(2)が87.9%でした。
どちらも高い正答率ですが、この「個数」をaとbを使った式で表すとなると、一気に難しく感じてしまうようです。正答率は39.8%でした。
まずは個数を数えることを思い出しましょう。
個数を数えるときは、「最後の数-最初の数+1」をします。
たとえば、3から10までの個数を数えるときは、10-3+1=8(個) という計算をしますね。このとき、10-3=7(個) という間違いをしてしまう子がかなりたくさんいますが、その間違いを起こす典型的な計算です。
それを文字式で表すだけという問題ですので、2b-a+1 が答えとなります。
念のため、(1)と(2)にも当てはめて検算してみましょう。
[3,6]=2×6-3+1=10
[-6,2]=2×2-(-6)+1=11
どちらも、先ほど数え上げた数と同じになりましたね。
解答類型のその反応率は、次の通りです。
2b+a:9.3% 2b+a+1:4.2%
2b-a:4.2% b-a+1:2.5%
その他:20.5% 無解答:19.5%
典型的な間違いである2b-aはもっと多くいるかと思いましたが、2b+aのほうが多くいました。(2)で負の数があった影響かもしれません。
ちなみに、次の(4)はもっと正答率が低く、15.1%でした。(3)を踏まえた問題なので、(3)の正答率を引きずりました。せっかくなので、ご紹介します。
【問題】
[a,b]+[b,-a]=16 [3a,2b]+[3,a+b]=32
であるとき、a、bの値を求めなさい。
(3)の答えに当てはめて計算していきます。
連立方程式で解くので小学生には難しいかもしれませんが、よければ考えてみてください。
答えは、a=-3、b=5 です。
3級と4級は中学数学を使った問題を扱っていますが、算数の知識だけでも考えられる問題も多く出題しています。5級よりも思考レベルが高い問題とはなりますが、だからこそ小学生にも考えてみて欲しいと思っています。
3級や4級に挑戦してみたいという小学生は、ぜひ挑戦してみてください。