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思考力検定
2024年11月30日
正答率の低かった問題の紹介(2024年度 第1回 9級)(2)
2024 年度 第1回で正答率の低かった問題の紹介、9級の第2弾です。
算数ラボ9級ステージ②30の類題です。
算数ラボと違って「ものさし」が多いところが違いますが、それだけではなく、算数ラボとは違う考え方をしないといけない部分があったため、正答率が低くなりました。
【問題】
ノートが1冊、えんぴつが1本、けしゴムが1個、ものさしが1本あります。これらを組み合わせた代金は、それぞれ下の通りです。
えんぴつ1本と、けしゴム1個を組み合わせた代金はいくらですか。
【考え方】
図を見ると、次のことがわかります。
これら4つの式を使って、「えんぴつ+消しゴム」を作るのが、この問題のポイントです。
①の式は、ノート、えんぴつ、消しゴム、ものさしのすべてを足し合わせています。
この①の式からノートとものさしがなくなれば、「えんぴつ+消しゴム」が導き出せそうです。
つまり、④の式を引いてしまえばよいのです。
解き方を聞くと簡単な問題のように思えるかもしれませんが、子供にとってはこの考え方に辿り着くのがとても難しく、無回答が15.4%もいました。
では、他の解答類型と反応率を見てみましょう。
116 円:20.8% 516 円:8.6% 316 円:2.0%
408 円:1.5% 462 円:1.1% 132 円:1.1%
76 円:0.9% 140 円:0.9% その他:29.4%
その他の解答は、すべて0.9%未満です。
まず、8.6%の516円を考えてみましょう。
こちらは、②の式と③の式を足した値ですね。
ノート2冊分をここから取り除かなければならないのですが、そこができなかったのでしょう。
一方、20.8%の116円は、先の516円からノート2冊分を引いたのだと思われますが、どうやってノート1冊が200円だと考えたのでしょうか。
ここで2.0%の316円を見てみると、こちらはノート1冊を100円としているようです。
この2つから想像できることは、きりのよい200円や100円という値を安易に引いたのではないかということです。
ここで、次の図のように要素が1つ少ない算数ラボの問題を振り返ってみましょう。ちなみにこちらの正答率は57.7%でした。何が違うのでしょうか。
この問題では「鉛筆+消しゴム」の代金を求めるのですが、今回の検定問題と違うのは、”鉛筆1本の代金” と ”消しゴム1個の代金” をそれぞれ求めることができ、そのあと「鉛筆の代金+消しゴムの代金」をして答えに至るという点です。
今回の検定問題ではそれができなかったことが、正答率の低下につながったものと思われます。
要素は増えても「共通項を除く」という考え方は同じです。
この考え方ができるようになっておきたいですね。