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思考力検定
2024年11月02日
正答率の低かった問題の紹介(2024年度 第1回 6級)
第1回で正答率の低かった問題の紹介5回目。今日は6級の問題です。
数の規則性と、それを山の形に並べていくという2つの要素が絡む「変化と関係」の問題です。
今回取り上げるのは、小問3つのうちの最後の(3)です。
では、見ていきましょう。
【問題】
1から4までの数字が1つずつ書かれたカードがたくさんあります。下の図のように、このカードを上から順に、1段目に1枚、2段目に2枚、3段目に3枚、…と並べます。
このとき、カードは左から右へ1、2、3、4の数字をくり返すように並べることとします。
カードを1段目から並べはじめ、1が書かれたカードを30枚使ったところで、並べるのをやめました。カードは何段目の左端から何枚目まで並んでいますか。
【考え方】
1が書かれたカードは、1〜4段目は1枚ずつ、5〜8段目は2枚ずつ、9〜 12段目は3枚ずつ、13 〜 16段目は4枚ずつ使います。
12段目までに使った1が書かれたカードは、
1枚 ×4段+2枚×4段+3枚×4段=24枚
13段目の右端までは、24 枚+4枚=28枚
ですから、14段目には次のように並びます。
よって、1が書かれたカードを30枚使うのは、14段目の左端から5枚目まで並べたときです。
では、解答類型とその反応率を見てみましょう。
完答:31.1% 14段目のみ正解:11.6%
8段目:7.3% 30段目:4.0% 15段目:3.4% 17段目:3.4%
120段目:2.7% 7段目:2.4% 29段目:2.1% 13段目:2.1%
117段目:1.8% 無回答:9.1% その他:19.0%
14段目ができていたのは、31.1+11.6=42.7% でしたが、11.6%が何枚目で間違えています。
「14段目」と答えた子の誤答を見ると、
9枚目:4.6%、1枚目:1.8%、2枚目:1.5%、その他:3.7% でした。
「9枚目」と答えた子は、「1から4までを30回」と考えたのでしょうか。そうすると、30回目の4がある8枚目までと答えてもよい気がしますが、その次に来る1にあたる31枚目を答えています。
次に気になる誤答は「8段目」です。8段目と答えた7.3%のうち、6.4%が2枚目と答えています。これは、1段目の1をスタートとしてカードを30枚並べたときの場所なので、問題の読み取り間違いですね。
「30段目」と答えた子は、30枚=30段目 とあまり考えずに答えたのでしょう。
「120段目」や「117段目」と答えた子は、4×30=120
さらに4→3→2と3枚戻って、120ー3=117
と考えたのではないかと思います。
問題文にある数を使って適当に計算式を作ってしまう、子供によくあるタイプの間違えです。
「15段目」と答えた子は「何枚目」の回答が散らばっているため傾向が読み取れませんが、「17段目」と答えた子は、5枚目と1枚目と答えた子がそれぞれ1.5%と1.2%ずついました。
どのような考えをしたのか想像できなかったのですが、もしお子さんがこの回答をしていたら、その考え方を教えて欲しいです。