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思考力検定
2024年10月24日
正答率の低かった問題の紹介(2024年度 第1回 7級)
第1回で正答率の低かった問題の紹介。今回は7級の問題です。
この問題は算数ラボに載っている問題の類題で、その問題を思考力検定で出題したときの正答率は18.5%でした。
その正答率と比較すると36.0%は高いですが、それでもやはり苦手とする子が多い問題だということがわかります。
それではさっそく、問題を見てみましょう。
【問題】
図1は、さとしさんが歩くときの1歩の長さについて調べたものです。このとき、1歩の長さは 48 cm です。
図2は、たくやさんが歩くときの1歩の長さを調べるために、2歩分の長さをはかったものです。
さとしさん、たくやさんは、図1・2の1歩の長さでそれぞれ歩くものとします。
たくやさんは、10 mの道のりを何歩で歩きますか。
【考え方】
たくやさんの1歩の長さは、73 cm − 23 cm = 50 cm
1 m = 100 cm より、10 m = 100 cm × 10 = 1000 cm
よって、1000 cm ÷ 50 cm = 20 より、たくやさんは 10 m の道のりを20 歩で歩くことがわかります。
では、誤答の解答類型と反応率を見てみましょう。
14歩:6.1% 21歩:3.8% 13歩・200歩:2.7%
9歩:2.5% 10歩:1.8% 15歩、18歩、25歩:1.6%
8歩、12歩、17歩:1.4% 2歩、50歩:1.3% 24歩:1.1%
無回答:9.9% その他:31.8%
その他31.8%の解答類型はすべて1%未満なので、さまざまな誤答があったことが伝わると思います。
また、無回答の9.9%の多さからも、手に負えなかった子の多さが伝わるでしょう。
では、反応率の高かった解答類型について、考察してみたいと思います。
[14歩]
典型的な、「問題中に出ている数値を使って計算する」という子供の反応です。
1000 cm ÷ 73 cm = 13.6… より、14歩と考えたのでしょう。
[21歩]
1000 cm ÷ 50 cm = 20はできているのに、なぜか1を加えています。おそらく、植木算のように歩き出す前も1歩としてしまったのでしょう。
問題を見た瞬間に「これは植木算だ!」と考えて、問題の理解をおろそかにしてしまったのかもしれません。
[13歩]
14歩と同じく、「問題中に出ている数値を使って計算する」という子供の反応です。
1000 cm ÷ 73 cm = 13.6… のあまりを切り捨てて13歩としたのでしょう。
[200歩]
こちらは単位換算のミスだと思われます。10 mを10000 cmと換算してしまい、
10000 cm÷ 50 cm = 200 より、200歩としたものと思われます。
もしくは、1000 cm÷ 50 cmの計算ミスかもしれません。
[9歩]
こちらも、「問題中に出ている数値を使って計算する」という子供の反応だと思われます。
1000 cm ÷ 123 cm = 8.1… より9歩と求めたのでしょう。
解答類型を元に、お子さんにどのような傾向があるのかを把握し、思考力向上につなげていただければと思います。