TOPICS

思考力検定

2024年06月02日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第3回 7級)

2023年度第3回7級で正答率の低かった問題の紹介です。

「空間と形」の問題で小問は(1)と(2)の2問です。
(1)は導入問題として高い正答率を期待しましたが60.7%と想定よりもかなり低く、
(2)は想定よりもやや低い45.5%でした。

【問題】
上の図のように、ア~エの4種類の正方形の板をならべて長方形をつくりました。
アの正方形の1辺の長さは2cm です。
(1) できた長方形の縦の長さと横の長さをそれぞれ答えなさい。
(2) エの正方形は、アの正方形何個分の大きさになりますか。


では、(1)から考え方を見てみましょう。

【考え方(1)】
(イの正方形の1辺)=(アの正方形の1辺)×2
より、2×2=4(cm)
(ウの正方形の1辺)=(アの正方形の1辺)+(イの正方形の1辺)
より、2+4=6(cm)
(エの正方形の1辺)=(イの正方形の1辺)×2+(ウの正方形の1辺)
より、4×2+6=14(cm)

(できた長方形の縦の長さ)=(エの正方形の1辺)=14cm
(できた長方形の横の長さ)=(ウの正方形の1辺)+(エの正方形の1辺)
=6+14=20(cm)

この問題は80%程度の正答率を想定していましたが、最初に述べた通り、想定外の60.8%でした。
しかし、縦の14cmのみ正解した人は20.7%いたので、縦のみで言えば想定通りの正答率(60.8+20.7=81.5%)でした。
ちなみに、縦=14cmと答えた児童の解答類型は下記の通りで、横=18cmと答えた児童が多くいました。

16cm:1.5% 18cm:9.3% 22cm:2.5%
24cm:2.4% その他:16cm:5.0%

縦を正しく答えられているため、落ち着いて考えれば正解できると思うのですが、
2cm刻みで間違えている回答が多いのを見ると、イージーミスのように思えます。

このような間違いをする子には、問題の図にわかった数値を書き込まずに頭だけで考える子が多いので、そういうところを改善するだけでも正答する確率は上がると思います。

では、(2)を見てみましょう。

【考え方(2)】
エの正方形の1辺の長さは14cm、アの正方形の1辺の長さは2cmですから、
14÷2=7 より、エの正方形の1辺にそれぞれれアの正方形が7個並びます。
よって、7×7=49 より、エの正方形は、アの正方形49個分となります。

(2)の正答率は45.5%と想定よりやや低かったのですが、(1)で14cmと答えられた児童は81.5%もいたわけですから、想定に近いもう少し高い正答率になってもよいのではとも感じました。

なお、解答類型はかなりたくさんあり、反応率が1%未満の解答類型も多々ありました。そのため、反応率が1%以上の解答類型のみ下記に取り上げます。

70個:4.9% 56個:3.4% 42個:3.0% 23個:2.9%
36個:2.6% 64個:2.2% 98個:1.9% 63個:1.5%
10個:1.4% 196個:1.4% 54個:1.1% 81個:1.0%

正方形は縦と横の長さが同じなので、平方数(2×2、3×3、4×4、5×5、6×6、7×7、8×8、9×9、…)が答えになるのではとも考えて欲しい問題です。

しかし、平方数の答えを出したのは、正解の49個のほかに、36個の2.6%、64個の2.2%、81個の1.0%、196個(14×14)の1.4%のみでした。

なお、1%未満の反応率では、100個(10×10):0.87%、144個(12×12):0.24%の回答もありました。

間違えてしまった児童には、このようなことに気づくことも思考力として大事であることを、伝えてあげられたらと思います。

CONTACT

お問い合わせ窓口

ご質問や受検申込、サポート教材についてなど
専用フォームからお問い合わせください。

\ 塾・学校・企業の方はこちら /

団体専用フォーム

\ 個人の方はこちら /

個人専用フォーム