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思考力検定
2023年02月28日
正答率の低かった問題の紹介(2022年度 第2回 9級)
取り上げるのは、思考力検定ではよく出題する、会話から順番を読み取る「論理」の問題です。
この問題の概要は、ある3人(Aさん・Bさん・Cさん)の順番を答える問題なのですが、会話をしているのはその3人の弟妹(Dさん・Eさん・Fさん)なので、情報としては6人が登場しています。
そのため、9級としては少し難度が高い問題でした。
会話の情報を整理すると次のようになりますが、この最初のステップでつまずいた児童もいたことと思います。
Aさん:7月生まれ。
Bさん:Aさんと4か月ちがいで生まれた。
Cさん:Bさんと2か月ちがいで生まれ、Aさんと学年もちがう。
この情報をもとに、「Cさんの生まれた月を求める」のが問題です。
【考え方】
Bさんの生まれ月として考えられるのは、次の2通りです。
7月+4か月=11月
7月-4か月=3月
Cさんの生まれつきとして考えられるのは、次の4通りです。
11月+2か月=1月
11月-2か月=9月
3月+2か月=5月
3月-2か月=1月
このうち、「Aさんとちがう学年になる」ことを満たすのは「5月」のみとなります。
正答率は22.5%でしたが、他の回答の割合を見てみましょう。
約39% ⇒ 1月
約10% ⇒ 9月
約8% ⇒ 7月
約6% ⇒ 無回答
約4% ⇒ 6月
約3% ⇒ 2月,11月
約2% ⇒ 8月
約1% ⇒ 3月
約0.5% ⇒ 10月
計算結果から導き出せる1月、5月、9月の回答率を合計すると、
39%+22.5%+10%=71.5%
ですので、情報を読み取って計算するところまでは、多くの児童が導き出せました。
しかし、最後の「学年がちがう」というところを、「生まれた年がちがう」と読み取ってしまったのか、1月と答えてしまった児童が多かったようです。
思考力検定では、誕生日関係の問題も定期的に出題しますが、早生まれが絡むと正答率が低くなる傾向があります。文章から「学年」なのか「年」なのかをしっかり読み取らせることが必要なのだと感じる結果でした。