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思考力検定

2024年05月28日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第3回 8級)

2023年度第3回8級で正答率の低かった問題の紹介です。

「場合の数」の問題で、数え上げるだけといえばそれだけなのですが、過不足なく数え上げるのところが場合の数の難しいところです。

今回は小問3問を出しましたが、そのうち(1)と(3)の正答率が低かったので、その2問について見てみましょう。

【問題】
シロ、クロ、ハナという名前の犬がいて、 3匹は次のように吠えます。
__________________________
シロは、「ワン!」と1回吠えます。
クロは、「ワン!ワン!」と2回続けて吠えます。
ハナは、「ワン!ワン!ワン!」と3回続けて吠えます。
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3匹が一緒に吠えることはなく、例えば、シロ➡クロの順に吠えると、
「ワン!ワン!ワン!」と3回聞こえます。
また、同じ犬が続けて吠えることもあり、例えば、シロが2回続けて吠えると
「ワン!ワン!」と聞こえます。

(1) 吠える声が「ワン!ワン!ワン!ワン!ワン!」と5回聞こえました。聞こえたのは、シロとハナの吠える声だけです。吠えた順番は何通り考えられますか。

(3) 吠える声が「ワン!ワン!ワン!ワン!」と4回聞こえました。何匹の犬が吠えたのかはわかりません。吠えた犬とその順番の組み合わせは何通り考えられますか。


(1)の正答率は47.2%、(3)の正答率は18.6%です。

では、考え方を見てみましょう。

【考え方(1)】
ハナは3回続けて吠えるので、ハナが吠えたのが1回、残りの2回はシロが吠えたとわかります。これより、吠えた順番は、「ハナ➡シロ➡シロ」、「シロ➡ハナ➡シロ」、「シロ➡シロ➡ハナ」の3通り考えられます。

解答類型とその反応率は、次の通りです。
1通り:6.5% 2通り:22.7% 3通り(正解):47.2%
4通り:7.9% 5通り:1.7% 6通り:0.9%
7通り:1.6% 8通り:0.9% 10通り:0.8%
その他:7.9% 無回答:1.9%

2通りという答えが意外と多いですね。
シロが2回連続で吠えたと考え、「ハナ➡シロ➡シロ」、「シロ➡シロ➡ハナ」の2通りだと考えたのかもしれません。

では、(3)を見てみましょう。

【考え方(3)】
・吠えたのがシロだけのときは、「シロ➡シロ➡シロ➡シロ」の1通り
・吠えたのがシロとクロのときは、「 シロ➡シロ➡クロ」、「シロ➡クロ➡シロ」、 
「クロ➡シロ➡シロ」の3通り
・吠えたのがシロとハナのとき、「シロ➡ハナ」、「ハナ➡シロ」の2通り
・吠えたのがクロだけのとき、「クロ➡クロ」の1通り
合わせて、1+3+2+1=7(通り)です。

解答類型とその反応率は、次の通りです。
1通り:1.9% 2通り:9.6% 3通り:8.8%
4通り:17.5% 5通り:10.4% 6通り:14.9%
7通り(正解):18.6% 8通り:3.3%
その他:11.0% 無回答:3.8%

正答率も低く解答類型も分散していますが、その中でも4通りが多いですね。
組み合わせとしては、「シロだけ」、「シロとクロ」、「シロとハナ」、「クロだけ」の4通りなので、そのように考えたのかもしれません。

もし “組み合わせ” と考えたのなら、(1)が1通り、(3)が4通りと答えた児童が多かったのかなと思いましたが、その組み合わせで答えた児童は2.4%でした。

ちなみに、(1)2通り、(3)4通りは6.0%、(1)3通り、(3)4通りは7.1%
(1)4通り、(3)4通りは1.1%、(1)5通り、(3)4通りは0.5%でした。

(1)で正解の3通りと答えられた児童もいたことを考えると、やはり過不足なく数え上げることの難しさを実感いたします。

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