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思考力検定

2024年03月24日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第2回 3級)

今回は、2023年度第2回の3級の分析です。

3級といっても、地道に数え上げれば小学生でも解ける問題もよく出します。
ただ、地道に数え上げると時間がかかってしまいます。そんなときに思考力を働かせて規則性を見出せば、簡単に答えが導き出せます。
今回は、そんな問題をご紹介します。

【問題】
100個の石を左から右へ1列に並べます。まず、左から数えて奇数番目の石をすべて列から取り除きます。取り除いたら、再び左から奇数番目の石を列からすべて取り除きます。この操作を繰り返したとき、最後に残った石は、はじめに並んでいたとき左から何番目の位置にあった石ですか。

まずは、地道にやってみましょう。
小さくて数が見にくいですが、奇数番目を青色、偶数番目をピンク色で表現しました。

このように、地道にやれば最初に64番目だった石が残ることがわかります。

しかし、地道にやると時間がかかるので、規則性を見つけたいですね。

まず、1回目に奇数番目を取り除いたとき、残った数はどんな数でしょう。
当然、偶数ですね。偶数なので、すべて2の倍数です。

次に、2回目に奇数番目を取り除いたとき、残ったのはどんな数でしょう。
4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、…
すべて4の倍数ですね。

では、3回目に奇数番目を取り除いたときに残ったのはどんな数でしょう。
8、16、24、32、40、48、56、64、72、80、…
すべて8の倍数ですね。

何となく、規則性が見えてきました。
見えてきた規則性が正しいかを意識しながら、4回目以降も見てみましょう。

4回目に奇数番目を取り除いたときに残った数は、
16、32、48、64、80、96で、すべて16の倍数です。

5回目に奇数番目を取り除いたときに残った数は、
32、64、96で、すべて32の倍数です。

6回目に奇数番目を取り除いたときに残った数は、
64のみで、64の倍数です。

よって、最後に残った石は64番目の石だということがわかりました。

つまり、残った石には、次のような規則性があったのです。
2の倍数→4の倍数→8の倍数→16の倍数→32の倍数→64の倍数

この規則性に思い至れば、一瞬で64番目だとわかりますが、地道に数え上げてからこの規則性に気づくことも、また思考力です。

解答類型とその反応率も見ておきましょう。

64番目:46.8%、80番目:16.4%、78番目:4.3%、100番目:3.6%
その他:28.9%(ただし、すべて2.2%以下)

80番目と答えた生徒が意外と多かったのですが、どうしてそのように答えたのかまでは思い至れませんでした。

なお、次に石の数を1000個にし、偶数番目の石を取り除く問題を出しました。

【問題】
1000個の石を1列に並べ、偶数番目の石を残り2個になるまで取り除いていきます。最後に残った2個の石は、はじめに並んでいたとき左から何番目の位置にあった石ですか。


答えは「1番目と513番目」で、正答率は7.1%でした。

ただ、偶数を取り除くルールなので、「1番目」は常に残り続けます。そのため、「1番目」だけは分かるだろうと思ったのですが、正解者以外で「1番目」を答えられた生徒は23.6%しかいませんでした。(正解者と合わせると、7.1%+23.6%=30.7% が「1番目」を答えられたことになります。)

ちなみに、反応率の大きかった解答類型は、以下の通りとなります。
400番目:10.0%、800番目:7.9%、512番目:5.7%
256番目:4.3%、900番目:4.3%、1000番目:4.3%
200番目:2.9%、998番目:2.9%、999番目:2.9%

この問題は、少し難しすぎましたね。
でも、7.1%の生徒は正解できているので、かなり思考力が高いものと思われます。

この問題も先の問題と同様に1000個の数を書き上げて考える必要はなく、いくつか書き出すことで規則性を見出すことができます。

ぜひ考えてみてください。

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