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思考力検定

2024年03月17日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第2回 4級)

今回は、2023年度第2回4級の分析です。

取り上げるのは小問3題で構成される大問の1問目、(1)の問題です。
普段は下位級で出題する問題を、導入として(1)に出しました。そのため、正答率が高くなることを予想していましたが、予想に反して低い正答率になりました。

では、早速問題を見てみましょう。

【問題】
見た目や大きさがまったく同じいくつかの金属の玉があり、その中の1個だけ4g ですが、他はすべて5g です。
いま、はかりを使ってこれらの金属の玉の中から4g の玉を見つけるとき、見つかるまでにはかる回数が最も少なくなるような方法を考えます。
ただし、偶然でなく、確実に見つけることができる方法を考えます。
4個の玉の中から4g の玉を見つけるとき、はかりは多くても何回使えばよいですか。


まずは例として、「玉が2個の場合」と「玉が3個の場合」を見てみましょう。

【例1 玉が2 個の場合】
1個の重さをはかり、それが「5g ならばもう一方の玉が4g」、「4g ならばもう一方の玉が5g」とわかります。
よって、はかりを1 回使えば必ず見つけられます。

【例2 玉が3 個の場合】
2個の重さをはかり、「重さが10g ならば、残りの玉が4g」、「重さが9g ならば、その2個のどちらかが4g の玉」なので、さらに例1のようにはかれば見つけられます。
よって、はかりは多くても2回使えば必ず見つけられます。

では、問題の「玉が4個場合」はどうでしょうか。

【考え方】
はじめに玉を2個ずつに分け、一方の2個の重さをはかり、10g かどうかを調べます。
「10g であれば、残りの2個のどちらかが4g」、「9g であれば、はかった2個のどちらかが4g」です。

続いて、 4g の玉が含まれているほうの2個のうち、1個の重さをはかれば4g の玉を見つけられます。(例1の玉が2個の場合と同じです。)
よって、はかりは多くても2回使えば必ず見つけられます。


解答類型と反応率は、次のようでした。
2回:38.8%、3回:53.7%、4回:7.5%

半数以上が3回と答えました。

3回と答えた生徒は、「2個ずつを2回はかり、9g だったほうの2個のうち1個をはかった」と考えたのかもしれません。
4回と答えた生徒は、「1個ずつ4回はかった」と考えたのでしょうか。


ちなみに4級の到達レベルとして出した(3)は次の問題でした。
【問題】
4g の玉を必ず見つけるために、はかりを多くて3回使うことになるのは、玉が何個から何個のときか答えなさい。


よければ考えてみてください。
ちなみに正答率は30.6%でした。

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