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思考力検定

2024年03月09日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第2回 5級)

今回は、2023年度第2回5級の問題を見ていきます。

【問題】
ある棒つきのアイスは、食べ終わったあとの棒を7本集めて店に持っていくと、新しいアイス1本と交換できます。
(1) このアイスを13本買うと、買ったアイスも含めて最大で何本のアイスが手に入り
 ますか。
(2) 7月1日から 31 日までの1か月間、このアイスを毎日1本ずつ食べました。
 なお、7月1日にアイスを買ったときは、棒を1本も持っていませんでした。
 また、アイスは1日1本しか買わず、棒7本と交換して新しいアイスを手に入れた
 ときは、アイスは買いませんでした。
 ① 買うアイスの本数は、できるだけ少なくなるようにしました。
  1か月間でアイスは何本買いましたか。
 ② 31日にアイスを食べ終わったとき、手元に残った棒の本数は何本ですか。


先に、正答率を見てみましょう。
(1) 50.0% (2)①40.2% ②39.0%

では、(1)から順に見ていきましょう。

【考え方(1)】
買ったアイスの棒13本のうち、7本と新しいアイス1本を交換できます。
さらに、手元に残った 13-7=6本 の棒と、交換したアイスの棒1本で 6+1=7本 になるので、新しいアイス1本と交換できます。
よって、最大で15本のアイスが手に入ります。

最後の 6+1=7本 に気づけなかった子が多かったようで、14本と答えた子が37.8%いました。
なお、1本と答えた子が6.1%いたので、この子は交換した本数が1本と考えたのかもしれません。また、2本と答えた子も2.4%いました。

続いて(2)です。

【考え方(2)】
棒が7本集まるたびに交換することにします。アイスを買った日を△,棒7本と新しいアイスを交換した日を〇として表にすると、次のようになります。

この表より、買ったアイスは△の数なので、①は27本だとわかります。また、最後に残った棒は29日、30日、31日のアイスなので、②は3本だとわかります。

改めて正答率を見てみると、①40.2% ②39.0%なので、①ができた子は②もできたように見えますが、実際に①と②のどちらも正解した子は22.0%しかいませんでした。

では、どんな間違いが多かったか、解答類型と反応率を見てみましょう。
① 28本:34.1% 31本9.8%
② 7本:14.6% 4本:8.5% 2本:8.5% 6本:7.3%

①の28本の間違いの多さをいまいち想像できないのですが、29日の分を数えてしまったのでしょうか。
②については、2本と答えた子は「30日と31日のみを数えた」、4本と答えた子は「8日、15日、22日、29日を数えた」、6本と答えた子は「8日、15日、22日、29日、30日、31日を数えた」のではないかと想像しましたが、正解の次に多かった7本と答えた子がどのように数えたのかが、想像できません。強いて言えば、6本の考え方に7月1日分も加えたのかなと想像しました。ただ、7本と答えた子の83.3%、全体の12.2%が①では28本と答えていたことも興味深い点です。

なお、①31本 ②3本と答えた子が4.9%いました。この子は毎日1本ずつ買い、7本集まったら交換するので、31−28=3本 と考えたのかと思われます。

規則性を読み取って数え上げる問題ですが、その規則性を丁寧に確実に読み取ることこそが、意外と難しいということがわかる結果でした。

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