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思考力検定
2024年02月25日
正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第2回 6級)
今回は、2023年度第2回の6級で、「正しい」か「正しくないか」の2択で半数以上が間違えた割合の問題を見ていきます。
では、問題です。
【問題】
かいとさんは、毎月のお小遣いのうち、 3割はお菓子、 5割は本、残りは文房具を買うのに使っています。
ある月、かいとさんは本に使ったお金が、いつもより3割多くなったことに気がつきました。そこで、お小遣いを余ることなくちょうど使い切るために、次のように考えました。
【かいとさんの考え】
本に使ったお金が3割多かったから、同じ3割のお菓子を買わずに、文房具をいつものように買えば、お小遣いはちょうど使い切ることになる。
かいとさんの考えは正しいですか、正しくないですか。また、理由も書きなさい。
まず、毎月の状況を図に表すと次のようになります。
毎月のこの状況より「本に使ったお金が、いつもより3割多くなった」、つまり本を10割としたときの3割増しという状況を正しく汲み取れるかというのが問題の本質です。
図に表すと次のようになります。
つまり、本の3割増しは、全体の5割に対しての3割増しなので、
全体に対しては 5割×0.3=1.5割 になります。
よって、お菓子の3割とは等しくなりませんので、「正しくない」が答えとなります。
反応率を見てみると、正しい:59.2%、正しくない:34.2%でしたので、約6割の児童が間違えたこととなります。
なお、この問題は考え方を答える問題だったので、「正しい」と答えた児童がどのように考えて間違えたかを見てみました。
すると、正しいと答えた児童のうち91.1%が、「5割+3割=8割となり、同じ3割のお菓子を買わなければちょうどお小遣いを使い切ることができる」という考え方を示していました。
なお、「正しくない」と答えた児童でも、考え方を適切に答えられた児童は少なく、満点答案は全体の3.3%でした。全体の3.3%なので、「正しくない」と答えたうちの 3.3÷34.2×100≒9.6% です。ただし、採点上は部分点(途中点)も与えていますので、得点率は全体の15.8%です。
割合の問題は苦手とする児童は多く、中学生になっても同様の間違いを繰り返す生徒が多くいます。割合は、中学、高校、大学、そして社会人になってからも必要となります。しっかり復習しておきたいですね。