TOPICS

思考力検定

2024年01月17日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第2回 10級)

2023年度第2回10級で正答率の低かった問題の紹介です。

サムネイルの例のように、○では右に曲がり、◉では左に曲がるというルールのときに、次の図でさくらさんとけんたさんはそれぞれのどこにたどり着くかを考える問題です。
なお、通った道(ルート)も作図させる問題なので、答えが合っていてもルートが違うという回答もありました。

答えは、次の図のようになり、さくらさんは、けんたさんはにたどり着きます。

それぞれの正解を選んだ割合は、次の通りです。
さくらさん:59.8% けんたさん:54.4%

しかし、ルートも正しく作図できた割合となると、もう少し下がります。
さくらさん:55.2% けんたさん:46.9%

さくらさんは4.6%、けんたさんは7.5%も下がっています。

では、どのような間違いがあったか見てみましょう。

さくらさんの4.6%の間違いは、ほとんどが次のルートでした。

一方でけんたさんのルートのみのミスにはあまり特徴がなく、1%未満が同じルートを示している程度で、割合が大きかったルートはありませんでした。

では、解答類型とその反応率を見てみましょう。

《さくらさん》
あ:8.4% う:0.3% え:3.5% お:2.2%
か:2.4% き:1.6% く:3.0% け:1.0%
こ:0.3% さ:3.5% し:1.9% 無回答:3.0%

《けんたさん》
あ:8.9% い:2.7% う:1.9% え:1.6%
お:0.0% か:3.0% き:7.3% く:0.0%
け:0.8% こ:7.0% さ:10.5% 無回答:1.9%

では、さくらさんの誤答で多かったを見てみましょう。
1つめはこちらです。例の動きに引きずられて、○のときは前方向に進むと理解したものと考えられます。

もう1つはこちらです。こちらも同様に、例の動きに引きずられたものと思われますが、やはり○のときは前方向に進むと考えたのでしょうか。

続いて、けんたさんの誤答を見てみましょう。
最も多かったの誤答の多くは、次のようなルートを通っていました。1つめの◉は正しく左に曲がれているのに、4つめの角の◉では左に曲がれていません。
低学年の子は、視点が自分と逆になるのが苦手なので、3つめの角で自分と逆になったあとの空間把握がうまくできなかった可能性があります。

次に誤答が多かったも見てみましょう。
1つめはこちらです。
やはり、自分と視点が逆になった4つ角めで左右をうまく捉えられていません。

次に多かった誤答はこちらです。これは、「◉は左に曲がる」ではなく「◉は自分の視点から左方向に進む」と捉えたものと考えられます。

同じくらい多かったのが、こちらです。2つめの角までは正しく進んでいるのですが、3つめの角からは例に引きずられてしまったようです。

小学校3年生くらいまでは、自分の視点が上下逆になると左右を間違える子が多い傾向がありますが、今回の結果から見ても、同じような傾向があることがわかりました。

また、文字だけの条件提示、例えば「○では右に曲がり、◉では左に曲がる」だけでは正答率がさらに低くなると予想できたため図で例を示しましたが、その図に引きずられる子がいることもわかりました。

視点を切り替えて空間を把握する力を伸ばすと、立体図形の問題にも強くなるので、ぜひ違う視点で空間を捉えるトレーニングをして、空間把握力を伸ばしてください。

CONTACT

お問い合わせ窓口

ご質問や受検申込、サポート教材についてなど
専用フォームからお問い合わせください。

\ 塾・学校・企業の方はこちら /

団体専用フォーム

\ 個人の方はこちら /

個人専用フォーム