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思考力検定

2023年11月15日

正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第1回 4級)

「ワンパンパスタ」を知っていますか?

一般にパスタを作るときは、パスタをゆでる鍋とは別に、フライパンなどでソースを作ります。

しかし、フライパンでパスタをゆで、麺がゆで上がると同時に水が蒸発し終われば、そのままフライパンでソースを作って麺と絡めることができますね。

つまり、1つ(One)のフライパン(Pan)で簡単にできてしまうのが「ワンパンパスタ」です。

今回はその「ワンパンパスタ」の問題です。
4級の問題ですが、考えれば小学生でも十分に解くことができます。
しかし正解者は47.8%と、低い結果となりました。

【問題】
1人前100 gの麺をゆでるのに必要な水は300 gです。表示時間通りのゆで時間でゆでると、パスタが水を吸う量と蒸発する量でちょうど水分はなくなります。
では、2人前作るのに必要な水の量は何gですか。
ただし、1人前のパスタがゆであがると、250 gになります。また、水を増やしてもゆでる時間は同じなので、水が蒸発する量は変わりません。


ちなみに、解答類型と反応率は次の通りです。

250 g:3.0%  300 g:11.9%  350 g:6.0%
450 g:47.8%  500 g:4.5%  550 g:6.0%
750 g:3.0%  その他:4.5%  無回答:13.3%

正解は450gで47.8%の生徒が答えましたが、300gと答えた生徒も11.9%もいました。

【考え方】
1人前100 gのパスタがゆで上がると250 gになるので、
パスタは 250 ー 100 = 150 g の水を吸います。
つまり、300  ー 150 = 150 g の水が蒸発します。
蒸発する水の量は2人前になっても変わらないので、
必要な水の量は 150 × 2 + 150 = 450 g となります。


では、300 gと答えた生徒は、どうでしょう。
おそらく、蒸発する水の量を考慮するのを忘れてしまったのでしょう。

では、6.0%の解答者がいた350 gと550 gの答えはどうでしょうか。
(なお、この問題は「考え方」も記述させているので、生徒の解答からどのように考えたかを見ることができます。)

この2つの答えには共通点があり、どちらも蒸発する水の量を50 gとしていました。

まず、350 gの考え方です。
100 gのパスタが250 gになるので、吸収された水の量が150 gであることはわかりました。
しかし、ここで 300 ー 250 = 50 g より、蒸発した水の量の計算を間違えてしまっています。
よって、150 g× 2 + 50 = 350 g となります。


次に、550 gの考え方です。
300 gの水を使って1人前がゆで上がると250 gになるので、
蒸発した水の量を 300ー250=50 g と計算してしまっていました。


なお、考え方の続きは複数パターンありましたので、2種類だけ上げておきます。
1)1人前をゆでるのに必要な水が300 gで、
  かつ蒸発する量は1人分でよいので、300 × 2 ー 50 = 550 g
2)1人前をゆでるのに必要な水が250 gで、かつ蒸発する量は1人分なので、
  250 × 2 + 50 = 550 g


この問題は「親子の会話から設定を読み取って考える問題」だったので、読解力も必要としました。そのため、小学生でも解ける設定ではあったものの正解者が少なかった可能性もあります。

設定を正しく読み取るのは難しいので、頭の中だけで考えずに線分図などに表して考える習慣を身につけるとよいでしょう。

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