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思考力検定
2023年11月14日
正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第1回 5級)
2023年第1回5級で、「キロ程表」の問題を出しました。
「キロ程表」とは、駅と駅の道のりを表した表です。
道のりの代わりに料金を示した「料金表」もありますが、スマホやパソコンのアプリで簡単に調べられる現代では、この「キロ程表」を読める子は本当に少なくなりました。
問題の「キロ程表」の読み方は、次の通りです。
正答率が低かった問題は「東京〜博多の道のりを求める」もので、正答率は49.3%でした。
【考え方】
考え方はいくつかありますが、「名古屋〜京都の道のり」がわかれば求められそうですね。
「名古屋〜岡山の道のり」が334.3kmで、「京都〜岡山の道のり」が200kmなので、その差(334.3km−200km=134.3km)が「名古屋〜京都の道のり」となります。
よって、
「東京〜名古屋」+「名古屋〜京都」+「京都〜博多」
=342km+134.3km+592.8km
=1069.1km
となります。
問題のキロ程表に示すと、次のようになります。
この問題の誤答はかなり種類があったのですが、どのような計算でその値が出たのかがわからないものが多々ありました。一応、列挙しておきます。
245.9km、592.8km、676.3km、735.1km、
934.8km、938.4km、967.1km、969.1km、975.8km、992.8km、
1026km、1049.6km、1061.1km、1068.9km、1069.1km、1069.7km、
1085.6km、1129.1km、1134.8km、1183.8km、1213km、1214km、
1269.1km、1297.9km、1355.5km、1363.2km、1414km、1710km
このうち676.3km、934.8km、1414kmは、
・342km+334.3km=676.3km
・342km+592.8km=934.8km
・821.2km+592.8km=1414km
で求めたものと思われます。
では、ほかの値はどのようにして導き出したのでしょうか。
興味がある方がいましたら、考えてみてください。
なお、せっかくなので、このキロ程表の空欄をすべて埋めてみるのも面白いですし、思考力のトレーニングにもなります。
空欄をすべて埋めることで、どこに記されている値がどこの道のりかも、とてもわかるようになります。
このように、「わからないところはどこだろう」と考え、その「わからないところはどのようにしたら求められるのかな」と一つひとつ関門を乗り越えていくことがとても大事です。
これこそが、社会に出て答えのない課題を解決するのにとても重要な考え方です。