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思考力検定
2023年09月23日
正答率の低かった問題の紹介(2023年度 第1回 9級)
今回は、2023年度 第1回9級の分析です。
正答率が37.4%と低かったのは(3)の問題なのですが、その前に、同じ難易度を想定して作った(1)(2)の正答率に大きな差が出たので、まずはそちらをご紹介します。
壁にぶつかるたびに右か左に曲がるようにプログラムしたロボットが、図の迷路を進みます。
(1) 最初に壁にぶつかったときは左に曲がり、その後、壁にぶつかるたびに
右→左→右→左 のように右と左を順番に曲がるとき、①〜⑦のどこに着き
ますか。
(2) 最初に壁にぶつかったときは右に曲がり、その後、壁にぶつかるたびに
左→右→左→右 のように右と左を順番に曲がるとき、①〜⑦のどこに着き
ますか。
さて、(1)と(2)は、それぞれどこに着くでしょうか。
また、どちらの正答率が低かったでしょうか。
答えは(1)が①、(2)が⑦ですね。
正答率はどうだったかというと、(1)が57.1%で、(2)が72.4%でした。
ということで、解答類型を調べたところ、
(1)で④と答えた児童が20.1%いました。また、
(1)で④と答えた児童のうち(2)で⑦と答えた児童は75.6%もいました。
つまり、15.2%の児童が(1)④ー(2)⑦と答えたのです。
では、どうして④と考えたのかを考えてみましょう。
まず、2つ目の曲がり角が1つ目から近すぎたため無視し、問題文で「左右左右左」の並びが5つなので、5つまで移動したときの最も近いところをゴールとみなしたのかなと思いました。すると、(2)では正解の⑦にゴールできます。
また、丁字路の分かれ道のみルールが適用されるという考えも思いつきました。
ただ、(2)では2つ目の丁字路で左に行くと行き止まるので矛盾しますが、
「行き止まるから右」と単純に考えたとも思えます。
では、最も正答率が低い37.4%だった(3)はどんな問題だったかというと、
壁にぶつかるたびに右に曲がるときにどこに着くかという問題です。
答えは次の図のように、③に着きます。
では、残りの児童はどこと答えたのでしょうか。
①5.6% ②1.2% ④8.0% ⑤6.3% ⑥15.0% ⑦17.4%
その他(空欄含む)9.1%でした。
⑥と⑦の答えが多かったのですが、どのように考えたら⑥や⑦に着くのか、想像するのがとても難しく、わかりません。
しかし、子どもの間違いには成長のヒントがあります。間違えたからできるようにさせるだけでなく、なぜ間違えたのかを子どもと一緒に考えてフィードバックすると、よりよい学びになると思います。