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思考力検定

2023年05月26日

正答率の低かった問題の紹介(2022年度 第3回 9級)

式の空欄に数を入れて等式を成り立たせる問題は、算数ラボに限らず多くの場面で扱われています。

2022年度 第3回 9級でもタイトル画像のような問題を出題しました。

なお、次の2つの条件付きです。
・○、△、□には、1から9までのうち、異なる数が1つずつ入る。
・○×△の答えが最も大きくなる。

【考え方】
まずは考え方です。
かけて4になる2つの異なる数は、「1×4」と「4×1」のどちらかです。

○が1、□が4のときは、□×△=8 なので、△は2となります。
このとき、○×△=1×2=2 となります。

○が4、□が1のときは、□×△=8 なので、△は8となります。
このとき、○×△=4×8=32 となります。

○×△が大きいのは後者なので、
○=4、△=8、□=1、○×△=32 が答えです。


では、実際の子どもたちは、どんな回答をしたのでしょうか。
上位を見てみます。


・○=4、△=8、□=1、○×△=32 →38.1%(完答)
・○=1、△=2、□=4、○×△=2 →15.2%
・○=2、△=4、□=2、○×△=8 → 8.2%
・○=4、△=8、□=1、○×△=★ → 4.5%
 ★にはさまざまな答えがありました。
・○=4、△=1、□=8、○×△=32 → 1.3%


部分点もありますので、正答率(平均得点率)は45.0%となっていますが、上記のように完答したのは38.1%でした。

完答以外の分析です。

・2つめの「○=1、△=2、□=4、○×△=2」は、
 「○×△の答えが最も大きくなる」という条件を考慮していない答えです。

・3つめの「○=2、△=4、□=2、○×△=8」は、
 「異なる数が1つずつ入る」という条件を考慮していない答えです。

・4つめの「○=4、△=8、□=1、○×△=★」の★に書かれていた
 答えの多くは、どうしてそのような答えになるのか分からないものも
 あったのですが、
  4+8=12、8×1=8
 の2つは、わかりやすい間違いとして複数人が答えていました。

・5つめの「○=4、△=1、□=8、○×△=32」は、
 △と□の順番を書き間違えただけだと思われます。


以上を踏まえて総括です。

「○×△の答えが最も大きくなる」というような条件は、算数ラボの問題にはありません。
そのため、9級としては若干難しいかなと思いましたが、60%程度の正答率になるものと事前予想しました。

そして、上の5つの答えのうち、3つめ以外は「異なる数が1つずつ入る」という条件は考慮されているので、残りの4つの正答率を合計すると、
 38.1+15.2+4.5+1.3=59.1%
なので、「○×△の答えが最も大きくなる」は9級としては難度が高かったものと思われます。

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