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思考力検定
2023年05月10日
正答率の低かった問題の紹介(2022年度 第3回 10級)
並んだ数から規則性を見つける問題は多くあるかと思います。
思考力検定でも2022年第3回の10級で出したところ、正答率が予想よりも低かったものがあったので、ご紹介します。
問題は上の画像の通りで、アとイに入る数を考えます。
最終問題であり、後ろから考えていくというやや難しい問題設定にしましたが、それでも正答率60%程度はいくと思っていました。しかし、結果は38%でした。
【考え方】
まずは考え方です。
・11→○→17と、2こ進むと6増える
・17→○→23と、2こ進むと6増える
・23→○→29と、2こ進むと6増える
ことから、1こ進むごとに3ずつ増えることがわかります。
よって、
・ア:11-3-3=5
・イ:5-3=2
となります。
では、実際の子どもたちは、どんな回答をしたのでしょうか。
上位5つの回答は次の通りです。
ア:2 イ:5 → 36.8%
ア:3 イ:6 → 18.9%
ア:6 イ:12 → 3.8%
ア:5 イ:2 → 3.6%
ア:1 イ:4 → 1.9%
そのほか、全体で100強の回答の組み合わせがありました。
ここで「ア:5 イ:2」は、おそらく順番を間違えたものと思われます。
もったいないミスです。
一方で、「ア:3 イ:6」は18.9%もいましたが、どうしてでしょうか。
3ずつ増えていくということまではわかったものの、
11-3=9
と計算間違いしてしまったのでしょうか。
それとも、3ずつ増えていくことがわかり、スタートのアに3を入れたあと、
3→6→9→11
に違和感を持てなかったのでしょうか。
ここで気づいたのは、この問題が(2)であり、その前に次のような(例)と(1)があったことです。
(例)は、1から始まり、1ずつ増えていきます。
(1)は、2から始まり、4ずつ増えていきます。
何か気づきませんか?
(例)の「1から始まり」と(1)の「2から始まり」が勘違いのポイントではないかと思いました。
「3ずつ増える!」とわかったあと、(例)→(1)の順で、始まりが「1→2」となっていたので、「1→2→3だ!」となったのかなと思いました。
いかがでしょうか。
10級なので、小2より下の子が受けます。予想しなかった回答に子どもの傾向が見られ、興味深い経験を得られました。