■ 熊本市立A中学校 数学科教諭 C先生
指導内容 学習状況の観点別評価規準と評価規準ABC
関心・意欲・態度
【評価規準】
与えられた課題に対して、自ら進んで取り組もうとする。
【評価規準】
A.課題に対して関心を持ち、自ら進んで意欲的に取り組もうとする。
B.課題に対して取り組もうとする。
C.課題に対して余り興味を示さない。
課題解決能力
【評価規準】
数学的な見方や考え方の良さを、課題解決に活かそうとする。
【評価規準】
A.数学的な見方や考え方の良さを、課題解決に活かし、説明することができる。
B.課題解決の方法を考えることができる。
C.他の生徒の考えを聞いて、課題を解決できる。
具体的な指導状況について
(1)展開例
| 課程 | 形態 | 学習活動 | 教師の支援 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 導入 5分 |
一斉 | 本日の課題を知る。 | 課題2問を提示する。 | テキスト |
| 展開 35分 |
個人 | 課題を解く。 | ・解き方や考えたことを、図や式、言葉などで自由にノートに書くように指示する。 | テキスト ノート |
| グループ | グループで話し合い、発表の準備(練習)をする。 | ・互いに考えたことを説明させながら、解決方法を考えさせる。 ・早く終わったグループには発表の練習をさせる。 |
||
| 一斉 | グループの答えと考えを発表する。 | ・グループで話し合ったことを自由に発表させる。 ・違う考え方をしているグループに発表を促す。 |
||
| 一斉 | 補足説明を聞く。 | ・グループの発表や個人の考えを大切にし、頑張りを認めながら補足説明をする。 ・「解答と解説」の考え方が出なかった場合は、一例として説明を加える。* 解けない場合「解答と解説」に頼りがちになるので、生徒へは渡さず預かっておく。 |
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| 個人 | 「さらにもう一問」を解く。 | ・いろいろな角度から考えさせながら解かせる。 | テキスト ノート |
|
| 整理 10分 |
一斉 個人 |
本日の学習のまとめをする。 「さらにもう一問」の答え合わせをする。 本日の授業の感想をノートに書く。 |
・答え合わせをしながら本日の学習を振り返らせる。 | ノート |
(2)生徒の感想
生徒1
難しかった。問題9の「○の中の数は?」は特に難しかった。なんとか説明を考えたが思いつかなかった。 でも、他の2問はできたので良かった。学校で今習っている文字の式や計算が使えることも分かった。分かった理由は○○くんが方程式や等式を使っていたからである。
生徒2
数学の計算や法則を使ったなぞなぞみたいな数学検定の問題は、頭を使い難しいですが、とても楽しいです。絶対合格したいです。
生徒3
今日はみんなの説明が聞けて良かった。自分と同じ考えだったり、違う考えだったので、とてもためになった。
生徒4
今日は、全部の問題の解き方をうまく図や式にできたので良かった。まだ出ていない考え方を考えようと思った。問題を解くのが楽しかった。 今度も頑張りたい。
生徒5
今日は全部解けたので良かったです。発表できなかったのが残念でした。
(3)私の思い
選択授業の教材として「数学アドベンチャー」を使用しているが、各級、数学への興味・関心をおこさせる問題、生徒の生活に密着した親しみのもてる題材の問題など新鮮でおもしろい問題で構成されており、学年のレベルも適正ではと思う。
また、生徒も興味深く、意欲的に取り組んでいて、数学への興味・関心が高まっていると思われる。
数学の授業に遅れがちな生徒が5級を合格することができた。これは、思考力問題だからこそではないかと思う。基礎学力が未定着の生徒でも豊かな見方や考え方で合格することができる例であり、生徒の力を見いだし、やる気を出させることができる良い例でもあると思う。
生徒たちが数学の学習を通して数学的知識や技能だけではなく、論理的な思考力や問題解決力を養っていくことを願っている。
■ 沖縄県 N中学校 N先生のコメント
計算技能が優れているから、数学が「できる」、「能力がある」という見方が一般的に社会で受け入れられているように思われます。その計算の方法は、問題をどのように解決したらよいかという思考の過程で創造されてきたものだということを重視したいと思います。
私は、コンピュータ機器がさらに発達し、活用されていく情報化社会においては、計算は機械に任せ、人は問題を解決するためにはどのような方法があるか、どのように計算させるのか、どんな式で計算すればよいのかを考え、見つけていく役割の分担がますます求められていくと考えます。
また、技術革新の著しい世界で、21世紀の技術立国日本を支えていく世代である中学生は、数学の授業で、課題に対し理解を図り、考え、関係をつかみ、みつけた関係を利用すれば、効率よく解決できることに気づき、その方法や考える力をつけていく必要があると考えます。
NHK教育テレビ「21世紀ビジネス塾」の中で、自動車の部品メーカーが地道な研究努力を重ね、ABSブレーキを7年間で5分の1に小型・軽量化に成功し、リストラなくして会社を建て直したという話題でした。
しかしそれは技術陣の努力ばかりでなく、営業、経理や生産作業工程にかかわる全社員が3人1チームをつくり、2万件の業務改善の提案をもとに効率化が図られた成果であったということでした。
これは、人や予算を削り、工場を閉鎖するといった安易な「負」の発想ではなく、人が持っている知の創造性を活用し、考えを引き出すことによって課題の解決を図るという「正」の発想で、つまり、よりよい考えで対処した実社会におけるモデルケースです。
人は、困難な課題に挑み、克服すると大きく進歩します。人の知の可能性は無限なのです。思考の扉を開くことは人の無限の可能性を引き出すことにつながります。
「急激に変化する社会において生涯学び続けていく力と態度を育てる」という算数・数学思考力検定の目的に共感し、その取り組みに励んでいます。
検定の合格は、思考力の発達段階の目安になり、生徒にとっては自信につながっているようです。本校1年目の実施で39名が受検しました。資格取得から3年生の受検が多い中、2年生も1年間でのべ10名が挑戦し、3級合格者が3名でました。英検、漢検ほど知名度は高くありませんが、関心をもっている生徒が増えてきています。今年度はさらに受検者を増やし、考える力の程度を自覚し、その力を高める必要性を実感してもらい、意欲的に授業に取り組む生徒を増やして、授業の活性化にいかしていきたいと考えています。
■ 岐阜県 S中学校 E先生のコメント
S中学校数学科では、数学的な思考力を中心とした問題を出題する「算数・数学思考力検定」を、実施しています。
これは、数学に興味のある生徒に目標を持たせることと、数学的な「見方」や「考え方」を大切にしたいという思いがあるからです。また、技能ではなく見方や考え方が中心であるので、低学年でも高い級に挑戦したり、合格できたりするところが魅力です。
本校では、この検定を直接目的とした選択授業は実施していません。ただ、数学に興味のある生徒が、選択授業を受けていますので、検定を受ける生徒がかなりいます。
受検する生徒をみると、大きく3つに分類できます。
- (1)数学が得意であり、テストも満点に近い点数をとる生徒です。
- (2)数学が好きであるが、テストの点数はそれほどよくない生徒です。
- (3)数学はあまり得意ではないが、わかるようになりたいと問題集を何度も解く生徒です。
この中で、検定が(2)の生徒を認める場となっていることがありがたいです。テストでなかなか思うように点がとれない生徒が合格でき、自信を取り戻してきています。
また(3)の生徒の1人は、数学的な考え方が苦手で、授業中なかなか課題解決ができなくて悩んでいました。現在その生徒は、問題が解けるように問題集に紙をはって、何度も解いています。
これからも(1)の生徒を含めて、数学が好きな生徒の目標として、また数学が好きになっていくため、そして客観的な数学的思考力の認定の場として、検定を実施していきたいと考えています。
■ 宮城県 O中学校 S先生のコメント
3年選択授業の内容の1つとして、「算数・数学思考力検定」に挑戦することにしました。第1回の授業で、過去の「検定問題」を3問ほど生徒達に提示して、問題集の注文を行いました。コース選択者19名中13名が問題集を注文しました。その他の3年生の希望者にも申込用紙を配布し、受検者の申込みを募りました。送られた問題集を、7月〜10月の選択授業の時期に自由に学習させました。その他の生徒には自分で準備してきた課題に取り組ませました。特に面白そうな問題については、適宜選択授業で取り上げました。コース選択者とその他の生徒の計12名が、11月の金曜日の放課後に検定を受検しました。受検日に都合が悪い生徒等もいて、受検者は少なかったのですが、授業での取り組みは真剣で、どの生徒も一生懸命問題に挑戦していました。生徒の感想も良好で、「今までの授業では、やったことのないような面白い問題をいろいろやれて良かった。」とか、「合格できなかったのは残念だが、自分なりに頑張って取り組めたので後悔していない。」のような生徒達の意見が多かったように思います。これから実施する場合は、コース選択者全員に問題集を購入させて実施させたいと思っています。
■ 山梨県 S小学校 5学年 A先生
算数・数学思考力検定の導入
本校は、全学年の児童を対象に、放課後18:30まで「やまびこ学級」という学童保育の場を提供している。通常の学童保育の枠を越え、単なる遊びの場としてだけでなく、教育課程にこだわらない発展的な学習の場としても活用している。学童保育における学習教室(算数のほか、英語・絵画・書道の各教室を実施)への参加は任意であるが、参加者は非常に多く、各学年とも9割以上の参加率となっている。
算数・数学思考力検定に向けた学習指導は、この学童保育の算数教室として3年生以上の毎週1時間で行っている。3年生の2月検定で8級(小学4〜5年生程度)の合格を目標として取り組み、結果として合格率90%という高い実績を残している。現在5年生となった本校の1期生は、昨年度4年生の2月検定で、やはり80%の児童が、すでに7級(小学5〜6年生程度)までを取得している。
これらの成果の背景として考えられるのは、次のような事柄である。
算数指導の特色
- 1.学校で、通常の算数の授業を指導する教師が学習教室を担当するために、児童の個性や学習状況・理解度を踏まえた指導と的確な出題が可能である。
- 2.小学校に併設した学童保育であるため、放課後を有効に活用できる。一般の学習塾へ通うことと比べれば、送迎などの時間もとられず、“学校の友達と一緒に頑張るんだ”という仲間意識(励まし合い)を持ちながら参加できる。
- 3.教育課程にとらわれず、思考力を重視した難易度の高い内容を提供することで、参加児童は普段の学校算数では味わえない“おもしろさ”や“難問を理解した後の達成感や喜び”を得ることができる。学ぶことの楽しさを実感することで、子どもたちは自然なかたちで自主的・自発的に学習を深め、家庭学習における予習や復習への意欲も高めている。
- 4.オリジナルのテキスト(問題)を作成し、無理なく興味をもって取り組める指導を展開している。各級の検定合格に必要な、計算力・知識・思考力が着実に身につく手順で計画的な指導が行われているが、そのための工夫を凝らした自作のテキストの役割は大きい。
- 5.夏休みや冬休みなどの長期休業中は、練習問題を繰り返し行うためのテキストを作成している。また、休み中の学習成果を評価するために、休み明けには必ず「クラス分けテスト」という一斉模擬試験を行っている。参加児童(1期生の場合53名)はこの模擬試験によって4クラスに分かれて少人数制授業を受けるので、学習状況に応じたきめ細かな指導を受けることができる。また、この試験を目標に児童同士が切磋琢磨する側面もある。児童はこのクラス分けの模擬試験に、本番の検定と同様の緊張感をもって取り組み、着実に力をつけている。
- 6.当然のことながら、通常の授業においても、学習内容を定着させるための工夫を行っている。本校では、「駿小算数プリント」という独自の宿題を全学年で実施し、日々の算数学習にとって必要な課題に、継続的に取り組んでいる。
参加児童の声
算数・数学思考力検定に取り組み始めて3年目を迎えた5年生(本校1期生)に、これまでの学習に関するアンケートをおこなった。
アンケート結果
Q1 算数・数学思考力検定に取り組んでよかったこと
- ・難しい問題が解けるようになってうれしい。
- ・学校の授業がよくわかる。
- ・1つの問題でいろいろな解き方ができるようになって、楽しい。
- ・検定を受けるという目標ができて良い。
- ・算数が得意になった。
- ・問題がおもしろい。
- ・授業ではやらない問題や、 先の学年で教わる問題に取り組めて、気持ちが良い。
Q2 算数・数学思考力検定に取り組んで困ったこと
- ・特にない。(全員)
Q3 得意な問題
- 1位 消去算
- 解き方がわかると簡単。図に表して解くとわかりやすいし、おもしろい。
- 2位 年齢算
- 図を書いて問題を解くのが楽しい。おもしろい。
- 3位 図形
- 面積や角度を求める問題がなぞなぞのようで、分かったとき楽しい。
Q4 苦手な問題
- 1位 植木算
- 後で足すのを忘れてしまうことがある。計算がややこしい。
- 2位 流水算
- 今習っているが、とても難しい。
- 3位 図形
- 複雑で(公式など)おぼえることが多い。
- 「家庭でも算数・数学思考力検定の勉強をしているか」という質問に対しては、ほとんどの児童が、「復習を中心に、学習教室で使ったプリントの問題を繰り返しおこなっている」と答えている。4年生の3学期からは、内容が高度になるので、次回使用するプリントを一週間前に配布し、おおよその学習内容を予習して学習教室に臨むよう指導している。







